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どの時代にもドラマがある。

それがワールドカップの決勝戦ならなおさらだ。
1974フットボールオデッセイ』を読んだ。
最近お気に入りのサッカーライター、西部兼司氏の書いた本で、クライフ率いる『トータルフットボール』のオランダと、ベッケンバウアー、ミュラーらの『ゲルマン魂』西ドイツで行われた1974年のワールドカップ決勝戦を史実を元にドラマを仕立て、勝者である西ドイツのディフェンダー、フォクツを中心に書かれた作品。
ちなみにフォクツはこの試合でクライフを抑え、勝利に貢献している。
この本のジャンルとして、西部氏はあとがきで『西遊記』をたとえに出して、わかりやすく解説している。
(自分なりに噛み砕いて言うと、横山光輝の『三国志』が近いかもしれない。事実を踏まえて、歴史を読ませるという点においては。)
当時のサッカー事情や、裏話もあって、読みやすい上におもしろい、自分の中ではヒット作だ。
いまやノスタルジーでしかない、『皇帝』や『爆撃機』、『空とぶオランダ人』がモティーフになっているので、若い人はあまり興味を示さないかもしれないが、良書であることは間違いない。
表紙のデザインもいけてるし。

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